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ADHD(注意欠如多動症)

[2025.07.15]

ADHD(注意欠如多動症)と共に生きる

ー自分らしさを大切にするためにー

 

「すぐ気がそれる」「大事なことを後延ばしにしてしまう」「頭の中がうるさい」「いつまでもなやんでしまう」「大事な物をなくしてしまう」「最後まで達成できない」「余計な一言を言ってしまう」「ぺらっと嘘をついてしまう」「遅刻常習者なんです」

これは全部、診察の中でADHDの方からお聞きする悩みです。

 ADHDは広く知られるところになって、ご自分でもweb上チェックリストなど試していらっしゃるかもしれません。ADHDは、代表的な神経発達症で不注意(集中困難、忘れ物が多いなど)、多動性(落ち着きのなさ、じっとしているのが苦手など)、衝動性(考えずに行動してしまうなど)を主な特徴としています。

ADHDは、生まれつきの脳の機能の違いによるもので、本人の努力不足が原因ではありません。多くの場合、幼少期から症状が見られますが、成長するにつれて現れ方が変化したり、周りの環境によって気づかれにくかったりすることもあります。大人になってから初めてADHDと診断される方も少なくありません。

ADHDの主な特性は以下の3つのタイプに分けられますが、人によって現れる症状やその程度は異なります。

  1. 不注意(集中困難):
  • 細かいところに注意を払うのが苦手で、ケアレスミスが多い
  • 課題や活動を持続することが難しい
  • 話を聞いていないように見える
  • 指示に従いきれず、課題を最後までやり遂げることが難しい
  • 整理整頓が苦手で、物をなくしやすい
  • 課題に必要なものを忘れる
  • 気が散りやすい
  • 順序立てて活動することが苦手
  1. 多動性(落ち着きのなさ):
  • じっとしているのが苦手で、手足をそわそわ動かしたり、席を離れたりする
  • 落ち着きなく動き回る
  • 過度におしゃべりをする
  1. 衝動性(考えずに行動してしまう):
  • 質問が終わる前に答えてしまう
  • 順番を待つのが苦手
  • 他の人の邪魔をする、割り込む

 日常生活や学業、仕事、人間関係など、様々な場面で困難を引き起こす可能性がありますが、一方でADHDの特性を持つ人々の中には、ユニークな発想力、高いエネルギー、興味のあることへの強い集中力といった強みを持っている魅力的な方も多くいます。障害と思わずにご自分の特性を理解しながらADHDを乗りこなしている方たちです。

 ただ、困りごととしてでてくる分量がおおいときは、迷わず当院へご相談下さい。診察の中での問診や心理検査などを通して、ADHDの診断が行われます。

ADHDの治療や支援は、薬物療法と社会心理的な治療を組み合わせることが一般的です。薬物療法では、脳内の神経伝達物質のバランスを調整する薬を用いることで、注意や集中力を高め、衝動性を抑える効果が期待できます。社会心理的治療としては、以下のようなものがあります。

  • 心理教育: ADHDについての正しい知識を学び、自己理解を深める。
  • 行動療法: 行動を改善するための具体的な方法を学ぶ。
  • 認知行動療法: 思考パターンを見直し、感情や行動をコントロールする方法を学ぶ。
  • ソーシャルスキルトレーニング: 人とのコミュニケーションや社会生活に必要なスキルを身につける。
  • 環境調整: スケジュール管理の工夫、整理整頓の習慣化、集中しやすい環境づくりなどを行う。

ADHDとともに生きるためには、ご自身の特性を理解し、得意なこと、苦手なことを把握することが大切です。そして、周りの人に理解を求めながら、自分に合った工夫やサポートを見つけていくことが重要です。

当院では、ADHDの診断から治療、そして日常生活での困りごとの相談まで、幅広くサポートを行っています。一人ひとりの個性と才能を大切にしながら、より自分らしく、生きやすい毎日を送れるよう、お手伝いさせていただきます。どうぞお気軽にご相談ください。

 

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