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双極性障害

[2025.07.15]

双極性障害と共に生きる

気分の波に激しく翻弄され、生きづらさを感じている方はいらっしゃいませんか?

双極性障害の症状

躁期からうつ期への移行  ある患者様の独白

「なんでもできるように思えて毎日新しい人に会ったり出かけたり、ほしいものも迷わず買ってああ楽しい、夜もあまり寝ないでも疲れ知らず…

でもだんだん腹の立つことが増えて、電車で隣の人の肘が当たっただけでイライラ、会社の普段から苦手な上司と大喧嘩。

これで昇進の話もなくなったな、もうだめだ、あんな大口たたいて、会社にはもういけない。前から自分はダメな奴だってわかってたのに、なんであんなに浮かれちゃったんだろう。」

 

 双極性障害は、以前は躁うつ病と呼ばれていた精神疾患であり、気分の高揚と落ち込みを繰り返すことが特徴です。

双極性障害の「躁状態」では、気分が異常に高揚し、活動的になり、アイデアが次々と湧き出てくることがあります。

自信に満ち溢れ、睡眠時間が短くても平気で、周りから見るとエネルギッシュで魅力的に映るかもしれません。

しかし、その高揚は時に過度になり、衝動的な行動や浪費、他人を傷つける言動につながることもあります。

一方、「うつ状態」では、意欲の低下、気分の落ち込み、集中力の低下、食欲不振や過眠など、うつ病と似た症状が現れます。

日常生活を送ることが困難になり、絶望感に苛まれることもあります。

 双極性障害の場合、この躁状態とうつ状態が繰り返されるため、本人だけでなく、ご家族や友人、同僚など周囲の人も苦しむことがあります。

 

双極性障害の難しいところ

気分がシーソーのようにアップダウンし、上がったら下げる、下がったら上げる。

こんなことにエネルギーを使っているうちに、本当のやりたいことが置き去りになってしまうこともあります。

 躁・うつの両方の波がやってくることで、「ちょうどいい自分」がわからなくなり、セルフイメージが不安定になることもあります。

 実際にはうつ状態が長く、うつ状態の時に病院を受診するので、躁の存在に気づかれることなくうつ病とみなされることも多く、双極性障害の診断にたどりつくまで時間がかかることも珍しくありません。

双極性障害の原因は、まだ完全には解明されていませんが、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れや遺伝的な要因、ストレスなどが複雑に絡み合って発症すると考えられています。

本人の性格や努力不足が原因ではありません。

 

双極性障害の治療

双極性障害の治療の中心となるのは、薬物療法です。気分安定薬を中心に、必要に応じて新しく開発された抗精神病薬などが用いられます。

薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを整え、気分の波を穏やかにする効果が期待できます。

当院では予防薬として月に1回の持効性注射剤を勧めています。

 薬物療法に加えて、心理療法(カウンセリング)も重要な役割を果たします。

 ストレス対処を身に着ける、という目的もありますが、

不安定になったセルフイメージを再構築する、という大切な役割があります。

 

双極性障害で大切なこと

双極性障害と共に生きる上で大切なことは、自分自身を受け入れることです。

気分の波があることを前提に、無理のない生活リズムを心がけ、ストレスを溜め込まないように意識しましょう。

睡眠時間を確保し、バランスの取れた食事をすることも重要です。

また、信頼できる家族や友人、医療従事者とのコミュニケーションを大切にし、

一人で抱え込まずにサポートを求めることも忘れないでください。

双極性障害は、根気強く治療を続けることで、症状をコントロールし、安定した日常生活を送ることが可能です。

 当院では、専門の医師やスタッフが、患者様一人ひとりに寄り添い、それぞれのペースに合わせた治療を行います。不安や疑問があれば、遠慮なくご相談ください。

 

当院では、15歳以上の患者様の双極性障害治療をおこなっております。診療は予約制となっております。詳しくは以下のページをご参照ください。
初診・再初診のご予約方法、診療の流れ

 

 

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