更年期のトンネルを抜けた小田さんのお話 (最終回)
【花咲く物語 3】
更年期のトンネルを抜けた小田さんのお話 6(最終回) 前回からの続き
(注)当院の患者様から同意を得た方のお話です。治療や回復過の本質には影響がない程度で、個人情報が特定されないよう適宜設定を変更してあります
外来にはいらっしゃっていなかったのですが、元気にやっていらっしゃることは聞いていました。
それでも、半年ぶりに診察にも来られたときに明るい声で「15年ぶりに仕事を始めたんです」ときいたときは驚きました。
小田さんは、ヘルパーの資格を持っていて、介護のお仕事を始めていたのです。
「仕事した日はよく眠れますし、自分がここにいていいんだ、って自己肯定感が上がりました」
カウンセリングの中で「人の役に立つのが好きなんです」とお話してことも、思い出しました。小田さんは自分らしさを仕事の中でも発揮していたのです。
以前と別人のような明るいご表情がまぶしいほどでした。
診察の後、ヘルスケア点滴の時に同じ話を聞いた看護師が「小田さんお仕事はじめたんですよ!」と報告してくれました。歩みを見守ってきた看護師にとっても、小田さんの回復はうれしい出来事だったのです。担当心理師にも報告して喜びを共有したのは言うまでもありません。当院ではこうやってチームとして患者様の回復を支援しています。
「更年期」には新たな人生を始めるという意味がありますが、まさにこうやって小田さんは新しい人生の扉をあけて花を咲かせています。
夫の治療も義理の母のお世話も続いていますが、こちらにも心を丁寧に向けながら小田さんは人生を楽しめるようになりました。
(※)当院にはヘルスケアという、プラスアルファ治療があります。
頑張った自分へのご褒美だったり、小田さんのようにチャレンジ前の心と体の充電だったり、患者様によって目的は様々ですが、病気が回復してからも通い続けていただけます。