更年期のトンネルを抜けた小田さんのお話 5
【花咲く物語 3】
更年期のトンネルを抜けた小田さんのお話 5 前回からの続き
(注)当院の患者様から同意を得た方のお話です。治療や回復過の本質には影響がない程度で、個人情報が特定されないよう適宜設定を変更してあります
新幹線に乗る、飛行機に乗る、泊りで旅行に行くなどの、「チャレンジ」の前にはクリニックに来院して、ヘルスケア点滴(※)をうけて、「これで大丈夫ですね、行ってきます」と看護師に報告していくようになりました。
こうやって、少しずつ行動範囲を広げ、カウンセリングも間隔をあけていきましたが、初診から1年たったころ、カウンセリングの
中で心理師に「夢に母がでてきてニコニコした顔で『このネイルかわいいでしょ』って言ってたんです。もう何年間も亡くなる前のさみしい母の面影しか思い出せなかったので、母が戻ってきてくれたみたいで本当にうれしかったです」と話してくれました。
小田さんのこころの傷が癒えた瞬間でした。
ほどなく、心理師からも、もう小田さんはお一人でやっていけますね、とお伝えしてカウンセリングは終了になりました。
「ニコニコのお母様」のお話がでてからは、「心地よい世界」にいる時間が増え、それまで頼りだった睡眠薬を使うこともほとんどなくなりました。
「チャレンジ」の前にヘルスケアルームに立ち寄ってヘルスケア点滴を受けながら、看護師とお話をしていくことが楽しみになっていました。
(次回へ続く)