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不安から解放された松木さんのお話1

[2025.03.24]

不安から解放された松木さんのお話 1

 

〈登場人物〉

松木さん 30代女性

〈困りごと〉

不安で生活がままならない

〈治療期間〉

1年

〈症状が出てから初診までの期間〉

2年

〈治療法〉

薬物療法・不安対処スキルの習得・運動

生活習慣の見直し

〈現在のようす〉

再びエネルギッシュな生活を送れるようになった

(注)当院の患者様から同意を得た方のお話です。治療の本質には影響がない程度で、個人情報が特定されないよう適宜設定を変更してあります

 

 

会社経営をしている松木さんは笑顔が魅力的な女性です。初診時から不安そうな表情の中に混じる笑顔がチャーミングでした。町田さんが当院を受診されたのはうららかな春の日。

 

 父親思いの松木さんはお父様に病気であることがわかってから、季節ごとの定期検査のたびに強い不安にかられるになりました。検査結果で再発がないことを確認しても、ほっとするのはほんの一瞬ですぐに不安になってしまいます。今回の検査では見つからなかっただけで本当は気づかれることなく、重大な病が静かに進行しているに違いない…。不安を解消したくて、ネットで病気に関する記事を検索し続けています。

 

不安が強すぎて焦っても何もできず、仕事が手につかず滞っているのに、朝から昼までずっと泣いて、夕方になると少し立て直して動きます。ところが夜になると、またもう少しでつらい朝が来ると思うと悲しくなってしまいます。一日のほとんどが不安に覆われてしまっていました。

 

こんな時期を2年も過ごしたというのです。こんなことならいっそ死んだ方が楽なんじゃないか、と思うことすらありました。

 病気になる前の松木さんは、自分のスキルを活かして起業するくらいのエネルギーのある方です。チャーミングで知的な話しぶりで顧客の信頼も得ていたのでしょう。ビジネスパートナーとの関係もよくビジネスは順調でした。 

 ご家族のことを伺うと父方のおばあ様は息子(松木さんのお父様)の帰りが数分おそいとひっくり返るくらいの心配性だったそうです。

 でもこれは松木さんが子供の頃から家族の中で語られてきた、面白おかしい伝説のようなもので、自分にも同じようなことが起こるとは全く思っていませんでした。

松木さんが不安に襲われるようになったのは、些細なことがきっかけでした。

ある日、手を洗っているときに何度手を洗っても落ちない汚れがあり、それが重篤な皮膚病ではないかと不安に感じたのが最初でした。後日痕をのこすことなく消えて、髪の染料がついてしまったものだとわかってのですが、病気にちがいないという不安は暴走し始めていました。

 

(次回へ続きます)

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