心療内科卒業ー自分を大切にー
3月は卒業の月ですが、2月最終日の今日、心療内科通院を卒業する方がいらっしゃいました。
職場のパワハラを受け、大きな声を聞くだけで、冷や汗、動悸が止まらないとのことで当院を受診された方ですが、初回の診察では涙がぽたぽたとこぼれて声になりませんでした。
かとおもえば、固く押し黙って何も言葉がでてこない日もあったり、揺れ動く気持ちを追いかけていくことがしばらく続きました。
そんなやりとりがも続きながらも、何ヶ月も通い続けるなかで、診察の中での言葉も増え、少しずつ気持ちや考えの整理が進んでいったのでしょう。じわじわと緊張がとけ年末には初めて笑顔を見せてくれました。そして、そこからの回復は驚くほど早く進みました。仕事と私生活両方での重大な決断をしていかれましたが、表情に後悔はなく本来のご自分に戻られたのかな、と感じるようになりました。
今日の診察の中で、「もう大丈夫だと思います」とご本人からお話があって、こんな言葉を残して行かれました。
「仕事を休むとか心療内科に来るとか、正直すごくハードルが
高かったんですけど、ここへ通って、
どうにもならないときはちゃんと休むこと、
自分を大切にするという意味がわかりました」
患者様が回復されると、どのような形であっても嬉しいと感じますが、「自分を大切にすることができるようになりました」という言葉は特別に感じられました。
「身も心も疲れ果てた方がまた立ち上がって自分で歩けるようになる」」そんな瞬間に立ち会えたことがこの仕事をしていてよかったなと心底思わせてくれます。
定期的に通ってくださった方の心療内科卒業は寂しいですが、新しいフィールドでの活躍を応援しています!