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適応障害

目次                    

1.適応障害とは  

2.うつ病との違い

3.どんなときに適応障害になる? 

4.適応障害の治療 

5.休養中の過ごし方 

6.適応障害かなと思ったら

7.東京はなクリニック初診案内


1.適応障害とは

うつ病とならんで働く人に多いこころの不調です。

適応障害は、強いストレスによって日常生活を送ることが困難になる病気です。
学校や職場などの環境に適応しようとしても、思ったようにことが運ばないと不安感や抑うつ気分、不登校、出社困難、対人トラブルなど、様々な症状・問題が表れて生活に支障をきたします。

治療しないで放置するとうつ病に進行することがあり早めの対処が必要です。

 

適応障害の症状

☑気分が落ち込む ☑寝つきが悪い ☑朝早くに目が覚める ☑やる気が起きない

☑イライラする ☑涙が止まらない ☑食欲がない ☑食べ過ぎてしまう

うつ病の症状と重なる部分が多く、見分けが難しいこともあります。


2.うつ病との違い

症状、治療ともに「うつ病」と共通する部分が多いのですが、適応障害の特徴は、ストレスの原因になる出来事がよりはっきりしていることです。

また症状は長くは続きません。
その日その日の状況によって症状が出たり消えたりすることもあります。

・学校や仕事のある日は朝からおなかや頭が痛く起き上がれない。
・一方でお休みの日には元気いっぱいで趣味なども楽しむことができる。

うつ病ではより深いレベルでの脳の不調があるため、このようなことは起こりません。

 

3.どんな時に適応障害になる?

学校生活では進学やクラス替え、部活動、社会人では就職、転職、異動、上司が変わる、業務内容が変わる、私生活でも、結婚、離婚、引っ越し、出産、育児など、生活環境が大きく変わったときに注意が必要です。


・睡眠時間を削って仕事をし続けた。
・上司がら不当に評価される。
・上司や同僚からのパワハラ、モラハラを誰にも言えずに抱えている。
・仕事が多すぎて先が見えない。
・誰も自分を手伝ってくれない/頼める人がいない
・いつも我慢している。
・育児や介護、家事などをほぼひとりでやっていた。
・ママ友と話が合わない/自分だけ浮いている。
・結婚、引っ越しなど大きな環境変化があった。
・仕事の中で昇進や抜擢があり,役割が重くなった。

 

 

4.適応障害の治療

適応障害は、適切な治療をしないと症状がより重くなったり、治りにくくなったりしてうつ病へ進行することがあります。

治療は「休養」薬物治療」「心理療法(カウンセリング)」の3本柱に加えて、ストレス因に対しても働きかけを行います。

「ストレスへのもと」になるものを探して環境調整をしたり、自身がストレスに対処できるようにスキルを修得することに重きをおいて治療を進めます。

薬物治療で回復した後、再発しにくくなるようにカウンセリング、リラクゼーショントレーニングなどをその方の症状に合わせて治療法を組み合わせていきます。

回復の段階に応じて適した治療内容は変わっていきますので、主治医やカウンセラーと相談しながら進めていきましょう。

 

休養

まず十分な休養をとって心と体を休ませましょう。
今の生活の中でやらなくてもいいもの、減らせる負担がないか振り返ってください。

完璧な仕事を目指していないでしょうか?
場合によっては職場に相談したり、休職したりする必要があります。

家事はどうしてもしないといけないことだけに絞って思い切って手抜きをしましょう。

 

薬物治療

適応障害には「ストレス対策」が最も重要ですが、時に応じて薬を使うこともあります。

抗うつ薬・睡眠薬・抗不安薬・漢方薬等を状況に応じて飲みます。

抗うつ薬は効果よりも先に副作用が出ることがあるので、つらく感じる時期があるのも事実です。
そのようなときは、躊躇せず担当医に相談をしてください。
一緒にご本人の体質に合った薬を探していきます。

 

 

心理療法(カウンセリング)

十分な休養と薬物治療を組み合わせることで症状のかなりの部分が回復します。
カウンセリングは、回復を維持して再発を予防するために行うので、通常は症状が改善してから取り組みます。

カウンセリング


カウンセリングでは不安対処のためのリラクゼーションスキルや考え方を学んでレジリエンスを身につけていきます。
カウンセリングにより より柔軟な考え方を学ぶことで心のしなやかさを修得して生きづらさを解消していきます。

適応障害に対する代表的な心理療法には「認知行動療法」があり、その効果は多くの研究で実証されています。

 

 

当院でカウンセリングを受けるには

 

ストレス因への働きかけ

ストレス因への働きかけには「環境調整」と「自分自身の変革」があります。
特定の外的なストレスが強い場合は「環境調整」が重要になります。

【環境調整の例】

〈学生さんの場合〉
担任の先生や学年主任などと状況を共有して解決方法を一緒に考えてもらう。
保健室登校や一時休学。
学校の方針が合わないとき、いじめがひどいときなどは転校も視野に入れます。

〈職場の環境調整〉
休職 ストレス因から離れる。
異動 違う部署、業務に転換できないかを会社に相談する。
転職 自分に合う仕事を改めて探す。

〈家庭内での環境調整 〉
夫婦で相談 家事、育児、仕事の総量や分担を見直してバランスを再調整する。
夫婦だけで担いきれない場合は家事サービス、シッターなどのサービスを取り入れることも検討。

 

【自分自身の変革】
ストレスをためていしまい、適応障害になってしまう場合は、内的な要素(ストレスのたまりやすさ、考えのくせ等)が影響している可能性があります。


・リラクゼーションスキルを身に着ける。
・考え方、物事のとらえ方の幅を広げる。
・ストレス解消法を増やす
・我慢しがちなコミュニケーションパターンを変えていく

 


自分で実践していけるものもありますが、カウンセリングの中で専門家の支援を得ながら進めていくとより深く身に着けていくことができます。

 

5.休暇中の過ごし方

適応障害でも、うつ病と同様に、休職して治療を行うことがあります。
適応障害の治療の初期は静かに「頭と体を休ませる」ことが大切です。

休職直後はいろいろな葛藤や考え事が頭の中をめぐることがありますが、気づいたときは離れるようにしましょう。
仕事のパソコンもなるべく開かず、休養に専念しましょう。

体力的に許せば散歩や運動をしても大丈夫です。
あまり疲れるようであれば「休養に専念」に戻ってください。

活動量は徐々に増やしていきます。

 【復帰のタイミング】
心の調子には波があるので、復帰のタイミングは個々で異なります。
原因となるストレスから十分に離れることができているか、職場に復帰してやっていけそうか、ご自身の回復イメージも確かめながら、よく相談して慎重に判断しましょう。

 

6.適応障害かなと思ったら

適応障害は誰でもかかる可能性のある病気です。
治療しないで放置するとうつ病に進行することがあり早めの対処が必要です

けがや風邪で病院を受診するように、心当たりがある方は、一人で悩まずご相談にいらっしゃってください。
家事ができない、学校や会社に行けないなど、通常の社会生活を送りにくい状態が1〜2週間続く場合は、精神科、心療内科、メンタルクリニックなどを受診することをお勧めします。
はじめの相談は産業医やかかりつけの内科でもよいでしょう。

当院では医師、カウンセラー、各スタッフが連携して患者様の回復をサポートします。

 

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執筆・監修

こちらの記事は、下記の精神科医が執筆・監修しております。

 

興梠真紀(こうろ まき)

  • 役職:東京はなクリニック院長
  • 資格:精神保健指定医/日本精神神経学会認定専門医/日本医師会認定産業医/労働衛生コンサルタント
  • 学会:日本精神神経学会

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