EMDR
EMDR:Eye Movement Desensitization and Reprocessing
眼球運動による脱感作と再処理法
EMDRはPTSD治療の代表的な心理療法です。
当院では十分にトレーニングを積んだ経験のあるカウンセラーの治療を受けて頂くことができます。
カウンセリング概要
カウンセラー(担当曜日) : 黒田律子(月)・成瀬友貴美(月・木)
費用:13200円/50分
カウンセリング推奨頻度:※週1~月1回
※実際にはカウンセリングの進み方によって異なるので目安です
NHK「クローズアップ現代」や「ETV特集」などで、最前線のトラウマ治療として取り上げられたこともあり一般の方々の間でも関心の高い治療法です。
EMDRでは、つらい出来事を細かく話す必要がなく、他の療法に比べ短期間で改善が進むため、患者様の負担が比較的軽いという特徴があります。
EMDRのめざすのもの
-トラウマからの回復-
トラウマは過去のことであるにも関わらず立ちのぼってきて、現在の生活や未来を妨げることがあります。
EMDRでは、元々その方が持っている自己治癒力やポジティブな経験を引き出し、トラウマになっている記憶と再統合して「過去を過去に」することを目指します。
EMDRの前後でも、過去の事実は変わらず、辛い出来事の記憶が消えるわけではありませんが、治療を通じて記憶を消化できる形にすることで、恐ろしいものではなくなります。
本来の人生を取り戻す作業でもあります。
EMDRの実際
トラウマに関連して思い出される場面の記憶、身体感覚などに意識を向けながら、治療者のリズミカルな手の動きを目で追います。(眼球運動)この眼球運動を何セットも繰り返してその間に記憶の整理を進めていきます。
眼球運動以外、音やタッチなど他の両側性の刺激を使うこともあります。
EMDRの歴史と発展
EMDRは1989年にShapiroによって報告されたのが始まりで、心理療法の歴史の中では比較的新しい技法です。当時ベトナム退役軍人のアルコール/薬物依存や犯罪率の増加などが社会問題となっていたアメリカにおいて、PTSDの存在が知られ、その治療法として関心が高まったことを背景に急速に研究が進み、発展、普及してきました。
国際社会でのEMDRに対する評価
2013年にはWHO(世界保健機構)が「PTSDの患者の心理的負担が最も少ない治療法」としてEMDRを推奨しています。
現在では52か国でトレーニングが行われ、2000年には国際トラウマティック・ストレス学会はEMDRを有効なトラウマ治療法として認定しました。
他国に先立ち、1998年にアメリカ心理学会、2001年に英国保健省がEMDRの有効性を認め、2002年以降にはイスラエル、オランダ、北アイルランド、スエーデン、フランス、オーストラリアが順次続いている。アジアでは韓国で保険診療が認められています。