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復職支援

 お仕事をしている方が、不本意にも体調が悪くなり、お休みせざるを得ないときがあります。がんばり過ぎた、仕事が合わなかった、人間関係が辛かった等 理由は人によって様々です。

当クリニックでは働く方のメンタルヘルス回復のために復職支援を行います。

 復帰までにはいくつかのステップがありますので、ご自分がどの段階にいるかみてみましょう。

*より丁寧に支援するために外来診療の他にカウンセリングをお勧めすることがあります。詳しくは診察時に医師にお尋ね下さい。

 

Stage1 休養に専念する 

肩の荷を降ろしてまずは休みましょう

 

 仕事から離れたばかりで「怠けていてはいけない」「このままでは復帰できなくなってしまう」「残してきた仕事が気になって眠れない」などの気持ちが去来することも多い時期です。薬物治療をうけていただきながら、緊張でかたまった体をゆっくり休めることが一番大切です。この時期は生活のリズムが多少狂うことはあっても、体や気持ちを休めることを優先します。

 1~2ヶ月葛藤しながらこの期間を経て初めて「今は休んでいいんだ」と受け入れられるようになる方も多いです。

 張り詰めた風船の空気が抜けていくに任せるイメージです。

 

Stage2 リズムを整える

家庭内でリズムを整えて、人らしい生活をしましょう

 

休養に専念する時期を経て、体の緊張や疲れがすこしずつ和らいでくると、次は生活のリズムを整えることが大切になってきます。簡単な本を読めたり、料理などの複数の手順が必要なことが出来るようになってきます。部屋がめちゃくちゃになっていることに「気づく」というかたちでこのステージにはいる方もいます。気分のいいときには外を散歩してみることをお勧めします。

 朝、夜決まった時間に起きて、寝て、日中も横にならずに服薬、食事なども一定の時間に摂ることをお勧めしています。

空気が全部抜けてしまった風船をちょっとずつ膨らませていくイメージです。

 

Stage3 社会復帰の準備をする

ここからはちょっとしんどいことも試していきます

 

 リズムがだいたい整って家の中だけでは時間を持て余すようになったら、社会復帰の準備のステージへ進みましょう。

 ここからはちょっとしんどいと感じることも試していきます。出来なかったらどうしよう、という不安な気持ちは持ったままで大丈夫です。長めに外出したり、早起きをしたり、いつもと違うことをすると疲れが出ますが、それも大丈夫です。勇気をもって進めましょう。行ったり来たりを繰り返しているうちにだんだん疲れにくくなっていきます。この時期のしんどさは明るい重みだとおもって乗り切っていきましょう。

このステージから生活行動記録表をつけていきます。

 

Stage 4 職場復帰について考える

振り返りのワークをしましょう

 

 とにかく復帰しなくては、と必死でここまでたどり着く方もいらっしゃいますが、時間をとって考えた方がいい大切なことがあります。

 本当に復帰したいか、具合が悪くなった職場は本当に自分に合っているか、ということを考えます。このステージに入るころには、休職に入ったばかりの頃と違って冷静に考えられるようになっています。

 熟慮を重ねてやはり復帰したいと思ったときは「振り返りのワーク」をします。休職に入る前後の頃からの病状を含めた来し方を振りかえり、未来へつなげられるか再度確認するワークです。

 どういうダメージをうけたのか、どのようなサインが体にでていたのか、どう工夫したら今度は対処できるのか…

 同じ職場へ戻ることが多いので、環境調整が必要なのか、ご自身の価値観の変化が必要なのか、それとも両方なのかよく考えます。

 自分にしっくりくる大きな再発予防策をひとつかふたつと、それから小さな再発予防策をいくつも準備します。

 

Stage5 復職を想定した生活

生活圏を通常の生活圏に広げる

 

 思考や気持ちの整理をしながら、通勤訓練をしたり、図書館通いをしたりして生活圏を徐々に広げていきます。外に一日いても疲れず、公共交通機関も使えるようになれば復帰は間近です。

 この間、薬を飲んでいる人はやめないように気をつけましょう。どんなに入念に準備をしていても、職場復帰自体が負荷になるので、この時期は調子が良くても薬の維持することが大切です。

 

Stage6 復帰

職場の産業医や人事担当者と面談をして復職判断がでるといよいよ復帰です

 

 実際に復帰すると、苦手な場面に遭遇することはありますが、Stage4で見つけた再発予防策をひとつずつ確認して丁寧に対処していきます。対処が出来るようになることは新しい自分になるということでもあります。

 具合が悪くなりそうになったら早めにご相談ください。一つ前のステップにもどって、そこから復習するように整え直します。

 この時期も薬は原則維持が望ましいです。

Stage7 心療内科通院を卒業

 職場での負荷を徐々にふやしていっても、調子が保てるようであれば、調子をみながら数ヶ月かけて薬を減らしていきます。最終的に薬がなくなっても調子が保てるようになれば心療内科通院は卒業です。

 薬がなくても調子がよい状態を目指しますが、ほんの少量あった方が調子が保ちやすい方には最低限の量を続けていただきます。

 

治療のゴールについて

 人によって薬の量に関するゴールは異なるので、薬を完全にやめることを目標にしないようお勧めしています。薬を続けていても、したい生活ができていれば十分なのです。

 

 

 

 

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