ソマティックエクスペリエンス
ソマティックエクスペリエンス(Somatic Experiencing)とは
ソマティックエクスペリエンスは、身体の感覚を通じてトラウマ解消をめざす心理療法です。
当院では十分にトレーニングを積んだ経験のあるカウンセラーのセッションを受けていただくことができます。
カウンセリング推奨頻度:週1~月1回
実際にはカウンセリングの進み方によって異なるので目安です
ソマティックエクスペリエンスのめざすもの
-トラウマからの解放-
トラウマは過去のことであるにも関わらず、突然フラッシュバックが起こり、現在の生活や未来を妨げることがあります。
ソマティックエクスペリエンスでは、より基本的な感覚である身体感覚にフォーカスして、その身体感覚から派生するイメージ・感情・意味の紐解きを行い、ご自身の未消化の体験や出来事を完了に導きます。
未解決の体験などを神経系が完了することで、トラウマの不全を解消できるという考えがもとになっています。
ソマティックエクスペリエンスの基礎となる姿勢・考え方
ソマティックエクスペリエンスでは、トラウマは出来事や心理的・精神的問題より、生理的・神経的な自律神経系の調整不全という側面を重視しています。
動物は危機に面した時、闘争、逃避反応(交感神経系の活性化=アクセル)が起こりますが、思い切り戦うことも逃げることもできないときに、固まる(副交感神経の活性化=ブレーキ)ことでその場を切り抜けようとします。
このように「固まる」状態は、車に例えるとアクセルとブレーキを同時に踏み込むようなもので、解放されないエネルギーが渦巻いている状態です。
この逃げ場を失って大量のエネルギーが渦巻いている状態が、トラウマの状態であると考えています。
したがって、トラウマ解消の鍵は自律神経系に直接働きかけ、神経系の中に閉じ込められた過剰のエネルギーを解放し、神経系を健康な自己調整の状態に導くことになります。
ソマティックエクスペリエンスの実際
ソマティックエクスペリエンスでは、対話に重きを置くセラピーとは異なり、トラウマについて詳細に患者様にお話をうかがうことをしません。
今の安全を確かめながら、ご自身の身体の感覚やイメージを少しずつ追いかけて、トラウマによって閉じ込められているエネルギーを開放します。
本当はしたかったのにできなかったこと、未完のこと(逃げたかった、言い返したかった、押し返したかったなど)をイメージの中で再現して完了させます。
トラウマのエネルギーに巻き込まれないように進める作業なので、解消には相応の時間が必要になります。
このような方に向いています
ソマティックエクスペリエンスでは、患者様に細かく話していただくことはありません。
トラウマ的な体験によって再度、恐怖を感じたり深く傷ついたりする恐れのある方、感覚に圧倒されて体験を言葉に直すのが難しい方に向いています。