更年期のトンネルを抜けた小田さんのお話 2
【花咲く物語 3】
更年期のトンネルを抜けた小田さんのお話2 前回の続きから
注)当院の患者様から同意を得た方のお話です。治療の本質には影響がない程度で、個人情報が特定されないよう適宜設定を変更してあります
当院にいらっしゃる前のメンタルクリニックでうつ病と診断され、抗うつ薬が出され、tms治療(経頭蓋磁気治療)を20回受けましたが、ほとんど改善がありませんでした。更年期障害もあるだろうといわれ、婦人科にも相談に行きましたが、ホルモン剤や漢方薬はホットフラッシュが改善しただけで、気持ちの方は沈みっぱなしでした。
小田さんは「メンタルクリニックでも婦人科でもこれだけ手を尽くしたのに、もうできることがなくていつも心の中が不安でいっぱいです」と顔を曇らせます。
ご自分ではコントロールできないことが続いて落ち込んでしまい、治療をしても改善しなかったことで傷ついていらっしゃったのです。次々と出てくる「運が悪かったこと」や「ままならなかったこと」を聞きながら、それでも、もう一度治療を再開しようといらっしゃった小田さんの勇気に心が動かされました。
人は、立て続けにつらいことが起きると、荒波にのまれるように圧倒されてしまい、ご自身を無力に感じてしまうことがあります。様々なつらいことを受け入れて消化していくには、何が起きたのか、ご自身の視点でとらえられるように、一つずつ整理していく必要があります。丁寧に時間をかけた方が心の整理は進みやすいので、小田さんにはカウンセリングの導入を勧めました。
今の状況から抜け出したい、という小田さんの気持ちを支えながら当院での治療が始まりました。
(次回へ続きます)
執筆・監修
こちらの記事は、下記の精神科医が執筆・監修しております。
興梠真紀(こうろ まき)
- 役職:東京はなクリニック院長
- 資格:精神保健指定医/日本精神神経学会認定専門医/日本医師会認定産業医/労働衛生コンサルタント
- 学会:日本精神神経学会
