不安から解放された松本さんのお話3
(注)当院の患者様から同意を得た方のお話です。治療の本質には影響がない程度で、個人情報が特定されないよう適宜設定を変更してあります
「良くなってきているんですが、だからこそ今日のうちに(人生を)終わらせた方がいいんだ、という変な気持ちが起きてしまうんです。」
急上昇と急降下、まるで乱気流にまきこまれた小さな飛行機のように不安に振り回されてしまいます。
こんな苦しい中でも地道にイメージワークを続けてもらいました。薬の量も少しずつふやして3か月ほどたつと、こんな報告をしてくれました。
こぶしを振り上げて跳ね飛ばすような、かわいらしいる身振り手振りで説明です。
気分ががくんと下がって「これは終わりだ、もう死ぬしかない」と思ったときもあったんですが、ふと、「ほんとか?本当のきもちなのか?こんなに死ぬ死ぬ、っていってるんだったら、本当に生きたいんじゃないか、こんなことでやられていられるか、ってはねかえせたんです。
松木さんが乱気流から抜け出した瞬間です。
その後も不安になることはありましたが、このときの自分で不安を跳ね返せた経験が自信になって、イメージワークをつづけることができるようになりました。
「ずーっと不安、ときどき元気」
という状態から
「ずーっと元気、ときどき不安」
になりました。
こうやって、不安な時間が減ってくると冷静に自分をふりかえることもできるようになります。
「不安になると自分がとる行動がわかってきたんです。インターネットで一日中検索したり不安やレジリエンスの本を大量に買い込んで、読み込んで却って不安になる、というパターンに気づきました。こういうときはあっちいけーってやってます。」
イメージワークだけでなく、実際の行動にも変化が現れてきました。
(次回へ続きます)