不安から解放された松木さんのお話2
(注)当院の患者様から同意を得た方のお話です。治療の本質には影響がない程度で、個人情報が特定されないよう適宜設定を変更してあります
ー前回からの続きー
「不安」は耳元でささやきます
「今の自分は元気そのものだけど(健診結果オールA)こんな幸せがいつまでも続くはずがない。」
「父親の検査結果がよかったのは、たまたま検査した日がものすごいバイオリズムのいい日で、本当はもっと悪いことが起きる、安心なんかしてはいけない。」
不安は健康な人にも必要な感情です。安全が確保されていないことを知らせる役割があり、危険を感じることで感覚を研ぎ澄まして集中力や注意力を高めます。
しかし松木さんの不安は行き過ぎです。集中力をたかめるどころか、いてもたってもいられないくらい注意散漫になってしまい、ここまでくると自分を助けてくれる感情ではなく、脅かす感情になってしまいます。
不安に巻き込まれないイメージワーク(※)を一緒にしてから、過剰な不安を調整するSSRIというタイプの薬を少量から内服することを始めました。
(※)不安になっていると気付いたときに、「はい今日はここまで」と声に出したり、はさみでチョキンと「不安を断つ動作」をする、という単純なものです。こうすることで不安に取り込まれることなく、自分の外側に置いておきやすくなります。
薬の副作用が強く出たため通常の半分の量に調整してゆっくりと治療をすすめていきましたが、「不安のない日」が出てくるとそれはそれで不安の種になってしまいました。
執筆・監修
こちらの記事は、下記の精神科医が執筆・監修しております。
興梠真紀(こうろ まき)
- 役職:東京はなクリニック院長
- 資格:精神保健指定医/日本精神神経学会認定専門医/日本医師会認定産業医/労働衛生コンサルタント
- 学会:日本精神神経学会
