亡き母から解放された山根さんのお話 6(最終回)
【花咲く物語 2】
亡き母から解放された山根さんのお話 6(最終回)前回の続きから
注)当院の患者様から同意を得た方のお話です。治療の本質には影響がない程度で、個人情報が特定されないよう適宜設定を変更してあります
抗うつ薬は徐々に減量する必要があるので、カウンセリング終結後も診療に通っていただきましたが、症状のぶり返しはなく、いつも穏やかな山根さんがいらっしゃいました。
毎日をどんなふうに過ごしていらっしゃるかお聞きすると、また不妊治療を再開したんです、と報告をしてくれて、それからすこしはにかんでから、
「あの、今だから言えるんですけど前は一人になると口から「死にてー」って出てたんです。本当に終わったんだな、過去のことだったんだなと思います。」
カウンセリングの終結から1年後、妊娠しました、とご報告がありました。
妊娠がわかった明るい喜びの後、自分と母の関係が繰り返されるかもしれないのに、取り返しのつかないことしてしまった、と不安になったこともあったそうです。
そのたびにこれまで治療中に何度も立て直してきたことを思い出して、生まれてくる赤ちゃんと夫との3人の生活を楽しみに過ごせるようになりました。
山根さんは今、亡き母から巣立って、自分の人生の新たな一歩を踏み出しています。
