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亡き母から解放された山根さんのお話 4

[2025.05.26]

【花咲く物語 2】 

亡き母から解放された山根さんのお話 4 前回の続きから

注)当院の患者様から同意を得た方のお話です。治療の本質には影響がない程度で、個人情報が特定されないよう適宜設定を変更してあります 

 

 

 抗うつ薬を開始すると幸い1剤目で「朝いつも死にたいと思って目が覚めていたのにそれがなくなったんです」と改善を報告してくれました。

 効果を確かめながら徐々に薬剤を増やし、カウンセリングを進めていきました。

 

山根さんのリソース(資源)は「あったかい布団で眠る瞬間」でした。葛藤の多かった実家から離れて「ようやく一人になれる」と社会人になった時に感じた安堵感でした。

リソースビルディングは探す段階ではご本人も元気になることが多いので、治療者もそのあたたかさや楽しみを共有して治療のためのエネルギーを溜める心楽しい瞬間です。

 

抗うつ薬の効果がでて、気持ちの浮き沈みや朝の希死念慮がうすまってきた段階でいよいよトラウマ処理のへ進んでいきます。

 

山根さんはEMDRという技法を用いて進めていきました。

EMDRは科学的なエビデンスも認められている代表的なトラウマ治療技法です。

トラウマになった経験や場面と結びついた強固な恐怖や、身体感覚、ネガティブな思いこみをほどいて、ご自身の持っている健康的なリソースと結びつけ治す心理療法です。

 

EMDRでトラウマ記憶の処理を繰り返すことで、治療開始前にもっていた「私は愛される価値のない人間だ」という思いが徐々に変化し、その思いとともに感じていた胸苦しさや、虚無感も減っていきました。

 

(次回へ続きます) 

 

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執筆・監修

こちらの記事は、下記の精神科医が執筆・監修しております。

興梠真紀(こうろ まき)

  • 役職:東京はなクリニック院長
  • 資格:精神保健指定医/日本精神神経学会認定専門医/日本医師会認定産業医/労働衛生コンサルタント
  • 学会:日本精神神経学会

 

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