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精神分析

精神分析的精神療法

 精神分析的精神療法とは、S.フロイトが創始した精神分析の治療理論に基づいて心の問題を理解していく精神療法で、決められた訓練を受けた精神分析家が1回45~50分、週4日以上治療面接をもつやり方を精神分析、それ以下の頻度で行うものを精神分析的精神療法と言います。

 

 20世紀初め、S.フロイトは、神経症の治療研究をする中で、神経症の症状が生み出される背景に無意識の葛藤が大きく関わっていると考えるようになりました。そして、その無意識の葛藤を意識化し、言葉にすると症状がなくなることが分かってきました。そこで、「自由連想法」という些細なことも、不愉快なことも何でも頭に思い浮かぶことを話すというやり方を治療へ用いるようになりました。

 

 その後、研究が進むと治療場面で自由に話をしていくと、治療者との間に過去の重要な人物との関係が知らぬ間に再現され (転移)、そこで生じる体験を治療者と話し合い、自分では気づかないうちに影響されていた不安や葛藤などへの理解を深め、その意味を改めて考えられると、その不安や葛藤を抱えることができるようになったり、不安や葛藤に捕らわれず自由に考えることができるようになったりすると考えられるようになってきました。

 

 例えば、対人関係においていい人であろうとしすぎて本当の自分が出せない人が治療を求めて来たとしましょう。その人は、厳しい親の下で、不満を口にすることは良くないことだと思って育ちました。そうすると、治療場面で自由に話すよう求められてもあたかも治療者が親のように不満を口にすると不機嫌になると感じるようになり、いい人であろうと振る舞ってしまいます。治療者は、その転移解釈を伝えたり、不満に感じるだろう場面でどのような気持ちなのか尋ねてみたりすることで、親を不機嫌にさせる不安が無意識に他の対人関係にも影響しているということや自分の本当の気持ちの理解を深めてもらいます。しだいに、不満を口にしても不機嫌にならない治療者の態度により、不満を口にする不安が和らいだり、子どもが親の影響を大きく受けるほど今の自分の対人関係に人の不機嫌さが影響を及ぼさないことを、体感を伴って理解したりすることで、人の不機嫌さに怯えず、自由に振る舞えるようになっていくということが起こります。

 

この例は、簡略化してお示ししたものなので、スムーズに治療過程が進むように感じられるかもしれませんが、実際には自分でも気づいていない葛藤や不安が隠された無意識を明らかにし、それがもつ意味を腑に落ちる形で理解することが重要となるため、ある程度の時間がかかり、自分自身を深く知りたいという気持ちを持ち続けることがとても大切になります。

 治療を始める前には、数回にわたってアセスメント面接を行い、今の心の状態やこれまでの生活や対人関係のあり方、心の中のことを話す力などを検討し、この治療法が役に立つと思われたら、治療を始めることになります。一方で、不安や葛藤に触れていくことが必要となるため、この治療を開始する方が悪影響を及ぼすこともあります。主治医や担当カウンセラーとよく相談の上、治療法を選択してください。

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