プラセンタ療法(保険・自費)
1プラセンタ治療で効果が期待される疾患等
2プラセンタ注射薬の種類
3保険適用と自費診療
4プラセンタ療法の費用
5プラセンタ療法の頻度
6ご留意点
プラセンタとは
プラセンタは、ヒト胎盤(プラセンタ)から生理活性成分を抽出した医薬品です。胎盤はお腹の赤ちゃんに栄養素や酸素を運ぶ役割があり、細胞を育て、活性化させる成分が含まれています。効果についてのメカニズムについては未だ解明されていませんが、プラセンタ注射には体内でつくることのできない必須アミノ酸を含め、生命活動に必要なタンパク質のもとになるアミノ酸が多数含まれており、これらアミノ酸よって様々な効果が発現するものと考えられています。
細胞の組織呼吸や新陳代謝を高め、細胞機能を活性化する作用があり、更年期症状、肝細胞保護、自律神経失調症、うつ病、不眠などの症状に効果を発揮すると考えられています。また、美容やアンチエイジング、疲労回復などにも効果があると言われており、幅広い症状に効果が期待できます。
1 プラセンタ治療で効果が期待される疾患等
◆プラセンタの働きとして報告・確認されているもの
免疫活性化作用 |
病気に対する抵抗力を高める |
活性酸素除去作用 |
老化の原因となる活性酸素を除去する |
強肝・解毒作用 |
肝臓の働きを強化する |
乳汁分泌促進作用 |
乳汁分泌を促進する |
抗アレルギー作用 |
アレルギーを抑制する |
疲労回復作用 |
疲労の回復を促す |
美肌促進作用 |
シミ、シワ、ニキビなどを抑制し、美白作用を促す |
また、下記疾患にも効果が確認されていて、医療現場で治療薬として用いられています。
◆プラセンタの効果
肝臓 (保) |
脂肪肝、肝硬変、アルコール性肝炎、ウイルス性肝炎 |
胃腸 |
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃下垂、便秘、貧血、糖尿病 |
婦人科 (保) |
更年期障害、生理痛、生理不順、冷え性 |
整形外科 |
関節痛、腰痛、肩こり |
アレルギー科 |
花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎 |
神経科 |
不眠症、自律神経失調症、頭痛 |
その他
|
免疫力減退、リウマチ、膠原病、放射線障害、風邪、がん、精力減退 視力減退、視野狭窄、白目の濁り、嗅覚減退、味覚減退、耳鳴り、頭痛、アルツハイマー |
美容 |
美白、美肌、シミ、シワ、たるみ |
*(保)は保険適用のある疾患です
*効果の感じ方には個人差があります。
2 プラセンタ注射薬の種類
医療用に使われているプラセンタ注射薬は、ラエンネックとメルスモンの2つの製剤が厚生労働省で医薬品として認可されています。いずれも日本国内の産婦人科で健康な母親から正常分娩で生まれた胎盤から作られたものです。
ラエンネックは肝機能障害に保険適用があり、メルスモンには更年期障害、乳汁分泌促進に保険適用があります。(下記「3保険適用と自費診療」参照)
また、実際には病気の治療以外にも、疲労の回復や自己免疫疾患・アレルギー疾患の改善、美容効果などにも活用されています。
|
ラエンネック |
メルスモン |
胎盤エキス量 |
112mg |
100mg |
添加物 |
ペプシン・乳糖・PH調整剤 |
ベンジルアルコール |
注射時の痛み |
やや強い |
弱い |
ラエンネック、メルスモンに大きな差があるわけではありませんが、1本(2 ml)あたりの胎盤含有量は、ラエンネックのほうがメルスモンよりも10%ほど多くなっています。
違いを詳しく知りたい方はこちら
3 保険適用と自費診療
◆保険適用
2021年現在、厚生労働省が認可した疾患病名は以下の3つです。
ラエンネック |
①慢性肝疾患による 肝機能障害 |
3~4か月ごとに所定の肝機能検査やウイルス量定量、医師が必要と判断する血液検査を受けていただける方が適応となります。 |
メルスモン |
②更年期障害 (45~59歳の女性) |
45歳以下の方でも検査によりエストロゲン・プロゲステロン等女性ホルモン低値の場合、臨床症状より明らかに卵巣欠落症状を認める場合は若年性更年期障害として保険適応となる場合があります。 |
③乳汁分泌不全 |
赤ちゃんを出産した女性は通常は分娩の後、2~3日経過すると母乳が出るようになりますが、赤ちゃんに母乳を与える時期になっても、十分な母乳が出ない症状のことを乳汁分泌不全といいます。 |
◆自費診療
年齢や症状・病名または通院頻度などの条件で保険適用外になる場合、自費診療としてプラセンタ療法を受けることができます。一般的に、美容目的などで行われる場合には自費診療となります。
4 プラセンタ療法の費用
保険適用 |
3割負担の方の自己負担金 |
自費診療 |
プラセンタ1アンプル注射 1100円(税込) プラセンタ2アンプル注射 2200円(税込) プラセンタ3アンプル注射 3300円(税込) プラセンタ4アンプル注射 4000円(税込) プラセンタ5アンプル注射 4500円(税込) プラセンタ6アンプル注射 5000円(税込) |
*自費診療であれば、対象に制限はなく、どなたでも治療を受けられます。
*当院では1回の注射で最大6アンプルの治療を受けることが出来ます。
5 プラセンタ療法の頻度
プラセンタ注射は幅広く効果が認められますが、効果発現に必要な時間は人によりさまざまです。また体調や環境変化の影響を受けることもあります。
最初から、注射の間隔を空けますと効果を実感できないことがあります。体調の悪い初めの頃は間を置かずに通院されることをお勧めします。
プラセンタ療法で効果を得やすいのは、最初の2か月間ほどは週2~3回の注射を継続して受け、経過を観察しながら頻度を変えていく方法です。 体調が良くなってきたら、その後はご自分の体調に合わせてご利用ください。
6 ご留意点
・プラセンタ注射を受けると献血ができなくなりますのでその点をご承知おきください。
お手数ですが同意書を取らせていただいております。 同意書
・初回のプラセンタ注射の際には事前に当院にお問い合わせください。
お問い合わせいただきますとご案内がスムーズです。
7 プラセンタ治療を受けるには
当院通院中の患者様は診察の時にご相談ください。血液検査を受けて頂いてから、治療開始になります。
保険適用のある疾患は、更年期障害、乳汁分泌不全、慢性肝疾患による肝障害ですが、自費診療であればどなたでも受けることが出来ます。
男性も治療対象になります。